【感想】大橋未歩『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』レビュー|病気を経験した50代男性が勇気をもらった理由 

大腸憩室炎の体験記 

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今回は、元テレビ東京アナウンサー・大橋未歩さんのエッセイ『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』(大和書房)を読んだ感想をお届けします。

結論から言うと、40代・50代で「新しいことに挑戦したいけど、一歩が踏み出せない」という人にこそ読んでほしい一冊でした。そして、大腸憩室炎と腹膜炎で人生初の入院を経験した私にとって、この本は「病気をしたからこそ見える景色」を言葉にしてくれた本でもありました。

この本が気になっているけど、買おうか迷っている――そんな方の背中を、少しでも押せたらうれしいです。

この記事でわかること

  • 『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』がどんな本か
  • 脳梗塞・不妊治療を経てNYへ渡った大橋未歩さんの「挑戦する力」
  • 大病で入院した50代男性が、この本に深く共感した理由
  • この本をおすすめしたい人

大橋未歩さんといえば「やりすぎコージー」の記憶

大橋未歩さんと聞いて、私がまず思い出すのはテレビ東京のバラエティ番組「やりすぎコージー」です。番組のアシスタントとして、芸人さんたちの横でにこやかに進行していた姿をよく覚えています。

ここだけの話、当時の私にとって大橋さんは密かに「タイプな女性」でした(笑)。理由はシンプルで、容姿がドストライクだったから。理屈ではなく、若い頃の直感というやつです。

その後、フリーアナウンサーになられたことは何となく知っていました。ただ、こちらも日々の仕事と生活でいっぱいいっぱい。いつの間にか、大橋さんの存在は私の記憶の奥のほうにしまわれていました。

ちなみに、今回この本を読んで初めて関西(兵庫県)のご出身だと知りました。テレビで見ていた落ち着いた雰囲気からは、まったく想像していなかったので驚きです。

 本を知ったきっかけはYouTube「flier」の動画でした

毎日YouTubeを見るのがささやかな楽しみの私。ビジネスや自己啓発系の動画もよく見ています。

ある日、おすすめに表示されたサムネイルに、なんと大橋未歩さんの姿が。本の要約サービス「flier(フライヤー)」の公式チャンネルの動画でした。思わずクリックしてしまいました(笑)。

【仕事・人脈すべてゼロ】“人生更地”の大橋未歩が45歳で飛び込んだニューヨークで手に入れた最大の財産|「他人の目は気にならなくなった」脳梗塞・不妊治療を経てはっきりした人生の優先順位(全1回)
▼紹介した作品大橋未歩『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』(大和書房)※上記リンクはAmazonアソシエイトを利用しています。▼目次0:54 経験は目減りしない確かな財産5:22 45歳で飛びこんだニューヨーク8:47 どれだけ反対されて...

動画では、大橋さんがニューヨークへ移住された経緯が語られていて、その内容をまとめた本が出るという告知もありました。画面を見ながら、昔ファンだった気持ちがふっとよみがえってきたんです。

そして何より心を動かされたのが、45歳で新しい環境に飛び込んだという事実でした。40代半ばで住み慣れた日本を離れる。その行動力と勇気は、いったいどこから来るのか。詳しく知りたくなり、その場で本を注文していました。

年齢的にもほぼ同世代。きっと何か共感できるところがあるはず――そう思って、届くのが本当に楽しみでした。ご縁とは不思議なものです。

『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』基本情報

書名 ニューヨークの林檎をむいて食べたい
著者 大橋未歩
出版社 大和書房
発売日 2026年7月23日
ページ数 264ページ(四六判)
定価 1,980円(税込)

テレビ東京を退社後、2023年からニューヨークで暮らす大橋さんが、現地での生活や出会い、日本との違いなどを綴ったエッセイです。Web連載をまとめた一冊なので、1話ごとに区切りがよく、とても読みやすい構成になっています。


一週間かからず読破。ユーモアと納得感のある文章に脱帽

本が届いてから、一週間もしないうちに読み終えてしまいました。

読み始めて驚いたのは、大橋さんの文章の上手さです。重いテーマを扱っている場面でも、ところどころにクスッと笑えるユーモアが挟まれていて、読んでいて苦しくならない。それでいて、一つひとつの言葉には「なるほど」と納得させられる説得力があります。

さすが長年、言葉を仕事にしてこられた方だなと。正直、ここまで表現力のある文章を書かれる方だとは思っていませんでした。気づけばページをめくる手が止まらず、あっという間に最後のページにたどり着いていました。

普段あまり本を読まない方でも、エッセイなのでスッと入っていけると思います。

30代で脳梗塞、そして不妊治療。それでも挑戦をやめない強さ

この本を読んで改めて知ったのが、大橋さんがこれまで歩んできた道のりの険しさです。

大橋さんは30代で脳梗塞を発症し、休職を経験されています。テレビの第一線で活躍していた方が、ある日突然倒れる。その怖さは想像を絶します。

さらに、その後も不妊治療という、心身ともに大きな負担のかかる経験をされています。相次ぐ試練に、普通なら心が折れてしまってもおかしくありません。

それでも大橋さんは、挑戦することをやめなかった。ご夫婦で一緒に乗り越え、45歳でニューヨークという新天地へ踏み出したのです。

読みながら、何度も「自分なんてまだまだ甘ちゃんだな」と思わされました。大橋さんの経験に比べたら、私の悩みなんて小さなもの。でもそれは落ち込むような感覚ではなく、「よし、自分も頑張ろう」と自然に力が湧いてくる感覚でした。

大腸憩室炎と腹膜炎で入院した私が、深く共感したこと

ここからは、少し私自身の話をさせてください。

人生初の入院で変わった「死生観」

私は以前、大腸憩室炎と腹膜炎を併発し、人生で初めて入院しました。

それまでの私は、健康であることを当たり前だと思っていました。毎日仕事に行き、ミスなくこなし、後輩の面倒を見る。それが続いていくものだと、疑ったこともありませんでした。

ところが、病院のベッドの上で天井を見つめていると、いろいろなことを考えるんです。「もしこのまま、という可能性もあったのかもしれない」「自分はこのままの生き方でいいんだろうか」と。

あの入院は、私に「死生観」というものを初めて真剣に考えさせてくれました。そして退院してから、私の生き方は確実に変わりました。食事や体を大切にするようになったこと。やりたいことを「いつか」ではなく「今」やろうと思えるようになったこと。このブログを始めたのも、その変化の一つです。

大病を経験した人だからこそ書ける言葉

大橋さんの脳梗塞の話を読んだとき、私は自分の入院生活を重ねずにはいられませんでした。

もちろん、病気の重さも状況もまったく違います。でも、「当たり前の日常が突然止まる」経験をした人にしかわからない感覚が、この本の言葉の端々からにじみ出ていると感じたのです。

病気をすると、人生には限りがあることを嫌でも思い知らされます。だからこそ、「やりたいことは後回しにしない」「残された時間を大切な人と楽しむ」という選択ができるようになる。大橋さんがニューヨークへ渡った決断の根っこには、そんな想いがあるのではないか。私にはそう思えてなりませんでした。

本の帯には、大きく「45歳。いきおいニューヨークへ。」の文字。そしてその横に、「できないことが、たくさんあってよかった」という言葉が添えられています。

この一文を見たとき、思わず手が止まりました。入院中の私は、できないことだらけでした。食事も満足にとれず、思うように体も動かせない。でも、あの「できない時間」があったからこそ、当たり前の毎日のありがたさに気づけたし、新しいことに挑戦しようと思えるようになったのです。

できないことは、不幸なことじゃない。そこから何を感じ、どう生きるかが大切なんだ――。帯の言葉に、この本のすべてが集約されているように感じます。病気を経験した人なら、きっとこの本のどこかに「わかる」と思える一節が見つかるはずです。

※病気に関する内容は私個人の体験です。体調に不安がある方は医療機関にご相談ください。

心に残った一節 ― 「無駄な努力なんてない」の本当の意味

本の中で、特に心に残った一節を紹介させてください。

【努力っていうのは、もちろん何かを得たり達成したりするためにするわけだけど、必ずしもそれが実を結ぶとは限らない。

だけど、これだけ努力したんだという自負がちゃんと自分の中にあれば、そんな現実に折り合いをつけることできるんだ。

無駄な努力なんてないっていうのは、そういうことなんだ。

子供は産めなかった。

でもやれることはだけはやった。そう自分に胸を張って言える。だから不思議と心は穏やかで、自然に前を向くことができた。

こうなったら2人の人生をより楽しんでしまおうとニューヨークにも移住した。】

――大橋未歩『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』(大和書房)より

努力は、必ず報われるとは限らない。でも「これだけやった」という自負が自分の中にあれば、思い通りにいかなかった現実とも折り合いをつけられる。大橋さんは不妊治療の経験を通して、そう語っています。

この言葉を読んで、胸の奥がじんわり熱くなりました。

私たちはつい、「結果が出なければ意味がない」と考えてしまいがちです。でも、本当に大切なのは「自分に胸を張れるかどうか」なのかもしれません。やれることをやり切ったからこそ、心は穏やかになり、前を向ける。そして大橋さんご夫婦は、「それならふたりの人生をもっと楽しもう」とニューヨークへ移住されたのです。

思い通りにいかなかった経験を、次の一歩のエネルギーに変える。これこそが、この本のいちばんのメッセージだと私は受け取りました。

『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』をおすすめしたい人

  • 40代・50代で新しいことに挑戦し、壁にぶつかっている人
  • 病気やケガで、生き方を見つめ直したことがある人
  • 努力が報われなかった経験を、まだ消化しきれていない人
  • 「今さら遅いかも」と一歩を踏み出せずにいる人
  • 海外生活やニューヨークの暮らしに興味がある人
  • 昔、テレビで大橋未歩さんを見ていた人

男性・女性に関係なく、人生の折り返し地点に立つすべての人に読んでほしい本です。特に、「もう若くないから」と挑戦をあきらめかけている方には、きっと何か持ち帰れるものがあるはずです。

まとめ:45歳の挑戦は、50代の私の背中も押してくれた

昔テレビで見ていた「タイプだった女子アナ」の本を、軽い気持ちで手に取ったつもりでした。でも読み終えた今、手元に残ったのは、「何歳からでも、人生は新しく始められる」という確かな勇気です。

脳梗塞、不妊治療という大きな試練を経ても、ユーモアを忘れず、夫婦で前を向き続ける大橋未歩さん。その姿に、大腸憩室炎で入院し生き方を見つめ直した自分を重ね、たくさんの元気をもらいました。読み終えて、ますますファンになってしまいました(笑)。

いい本に出会えたことに、心から感謝しています。ありがたい、ありがたい、ありがとう。これからも、いちファンとして大橋さんを応援していきます。

この記事を読んで少しでも気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。あなたの「次の一歩」のヒントが、きっとこの本の中にあります。

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